強いマッサージは身体に良いの?

こんにちは。
「西洋医学・東洋医学のいいとこ取りしちゃえ!」鍼灸&柔整師の松本です。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレワークを導入する企業が増える中、実際にテレワークや在宅勤務を行っている20~50代の男女に体の不調について調べたところ、約3割が「肩こり」や「ストレス」「腰痛」などに悩まされていたとする調査結果がでたそうです。

ところでみなさんは、肩こりや腰痛でマッサージを受けたことがありますか?

当院でも、まれに新規の患者さんが「もっと強くマッサージしてほしい」と希望される方がいます。
しかし、当院では原則として強いマッサージはしません。

なぜなら、強いマッサージは、悪化する可能が高いからです。

えっ?そんなバカな!

だって強く押してもらって、よくなった経験があるもん!
なんて聞こえてきそうですが・・・

その理由をお話しする前に、まずは、筋肉の構造について少しお話しますね。

実は、筋肉は筋線維と呼ばれる細い糸状の組織で構成されており、この糸状の線維を筋膜と呼ばれる袋みたいな膜でバラバラにならないように包むような構造になっています。
筋肉に、強い刺激(マッサージ)を加えると、筋組織に傷がつきます。そして、傷ついた筋組織は修復され、その過程で線維化という変化が起こり、より硬い筋肉になり、最悪、筋膜どうしが癒着することになります。こうなると、スムーズな動きが妨げられ、違和感や不快感、コリ感や痛みを感じることになります。

つまり、マッサージなどの強い刺激を受け、硬くなった筋肉は、血行が悪くなり、その結果、細胞に酸素や栄養分が行き渡らなくなり、凝りやダルさ、痛みを感じるのです。

なかには、強いマッサージを受けて、楽になったという経験のある方がいると思いますが、
筋肉を強く揉むと、その一瞬だけ血行がよくなり「気持ちいい〜っ!」という反応が起こります。

しかし、その「気持ちいい〜っ!」は、組織が壊れる痛みを、抑えるエンドルフィンという脳内麻薬による現象です。
それで気持ちよく感じるのです。

しかし脳内麻薬というだけに、癖になります。依存です。

そうすると、次回はもっと強い刺激を求めるようになり、その結果、さらに組織は壊れていき、ますます筋肉は硬くなるという負のスパイラルに陥ってしまます。

では何故、筋肉は強いマッサージを受けると硬くなってしまうのでしょうか?

それは、筋肉は強いマッサージを受けると、筋線維が切れて怪我をしている状態になるのです。

怪我をすると、当然、痛みが出ます。

一般的に“揉み返し”“揉み起こし”と言われるマッサージの後に起こる痛み、実は、筋線維の怪我によるものなのです。

このように強いマッサージによって、傷んでしまった筋線維は修復しようとします。
しかし、この修復過程に少し問題が起こります。
身体は、この“切れた筋線維”を修復するために、カルシウムを使います。
わかりやすく言うと、カルシウムを接着剤の代わりにするような感じです。

ただ、こうなると、余分なカルシウムが筋肉に溜まり、さらに筋肉は硬くなってしまうのです。

筋肉が硬くなると血行が悪くなる。
血行が悪くなると、さらに、筋肉は硬くなる。
筋肉が硬くなると、さらに、血行が悪くなる。
血行が悪くなると、さらに、さらに、筋肉は硬くなる。

負のスパイラル、悪循環ですね・・・・。

“強い力で揉むマッサージ”をよく受ける方は、心当たりがあるかもしれませんが、受け始めた頃は、軽い力で揉まれても、気持ちが良く、揉まれている感覚もあったはずです。
それがいつのまにか、強い力で揉んでもらわないと、“揉まれている”という実感がなくなり、もっと強い力で揉んで欲しいと思ったことはありませんか?

上記の内容を読んでいただくと、その理由が納得していただけると思います。

では、どうしたらよいのか?
それは次回に!

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