薬って飲み始めたらやめられない? 長く飲むメリットってあるの??

「今回から血圧の薬が処方されたんだけど、これって飲み始めたらやめられないのよね?」
患者さんから、こんな質問をされることがあります。果たして本当なんでしょうか?
今回は、薬を飲み始めたらやめられないのかどうかについて書いていきたいと思います。

薬は飲み始めたらやめられない?

そもそも、みなさんはどんな時に薬を飲みますか? 風邪をひいた時ですか? それとも頭が痛い時?
風邪や頭痛の薬であれば、症状がある間だけ薬を飲んで、治ったら薬はやめられますよね。

しかし、薬の中には長く飲み続けないといけないものがあります。生活習慣病や精神疾患、アトピーや喘息などのように、症状が長く続く場合には薬を長く飲んでいくことが多いです。

冒頭に出てきた血圧の薬もそうですね。塩分の取り過ぎに注意したり、肥満やストレス解消などを行っても血圧が高い場合は薬を続けていくことになります。

では、なぜ血圧を下げる必要があるのでしょうか。血圧が高い状態が続くと血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化や心臓肥大が進みます。そうなると、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈など多くの病気が起こりやすくなります。最近の研究では、これらの病気は高血圧の治療をすることでかなり予防できることが分かってきています。つまり、血圧を下げるのが最終目的ではなく、その後の病気になることを防ぐことが目的になります。ですから、血圧が高い状態が続いているのであれば、薬を続ける方がいいのです。

やめられる場合もある

糖尿の薬に関しても同じことが言えます。血糖値が高い状態が続くと腎臓や目に影響が出てくるので、それを防ぐために薬を飲んで血糖をコントロールすることが重要になります。コレステロールの薬もそうですね。高いままだと動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や狭心症を発症しやすくなるので、薬で数値を下げます。

血圧は年齢が上がるにつれて高くなる傾向にあり、生活習慣を改善しても下がりにくいこともありますが、血糖値やコレステロール値は食事の影響を受けやすいので、食事をしっかりと管理して数値が下がってきた場合は薬をやめたり減らしたりできる場合もあります。実際、私の周りで食事の管理をして血糖値を下げて薬をやめることができた人がいます。とは言っても、食事の管理ってなかなか難しいんですけどね。

薬の選び方も大切

市販薬の場合、自分で選んで購入するので、どのような成分が入っていてメリットとデメリットは何かを知ることが大切です。先日のYOKUSHIRU.TVで、「便秘薬は飲み始めるとどんどん増えていくのか?」というご質問をいただきました。昔から市販されている便秘薬は刺激性のものが多いのですが、刺激性のものはクセになりやすく、飲む薬の数が増えていくことがあります。最近では非刺激性の便秘薬も発売されてますが、こちらはクセになりにくく、便秘が改善されれば飲むのをやめることができると思います。どちらの薬を選ぶにしても、食物繊維を摂る、体を動かして腸を刺激する、毎朝トイレに行く習慣をつけるなどの生活改善も必要です。できる事から取り入れてもらったらいいと思います。

まとめ

薬を飲み続けるのは嫌だなと思う気持ちは分かります。でも、薬で体調を整えて元気で毎日過ごせたり、将来かかるかもしれない病気の予防ができると考えたら薬もそれほど嫌なものでもないのではないでしょうか。また、薬を飲まなくてもいいように、普段から自分の体のことをよく知ってメンテナンスしていくことは大切なことだと思います。できるだけ薬に頼ることなく、健康な毎日を過ごしたいものですね!

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