JCR登録カイロプラクターの彦坂です。
連日、新型コロナウイルスの感染拡大の報道がされており、日本も世界も翻弄されています。「緊急事態宣言」を発令するかどうかの瀬戸際といわれ、日々、状況は深刻化しています。
「世界で起きている事はいずれ日本でも起こりうる」と思います。
もし日本で「緊急事態宣言」が出れば、「外出自粛要請」、「学校、保育所などの使用停止の要請、指示」などが可能になり、ある日突然、非常時の生活が始まります。
「手洗い、うがい、咳エチケット」。「密閉空間·密集場所·密接会話」の〝3つの密を避けること〟。「バランスの良い食事、たっぷりの睡眠、適度な運動を心掛けること」。
これらのことは、連日ニュースでいわれていますので、皆さんもよく理解され、実行されていると思います。
しかし、非常時になった時、これまで通りのバランスの良い食事がとれるでしょうか。
大抵の場合、栄養面まで考える気持ちの余裕はなくなり、すぐにお腹が満たされるもの、エネルギーになるものをとる食事になりがちです。
食料品の買い物のための外出が頻繁にはできなくなり、備蓄された食品で食事の献立を立てるようになればなおさらのことです。
ただ今回の新型コロナウイルスの蔓延によって、多くの人々が「免疫力を高める」ということに意識を持つようになり、その結果、健康食品や健康飲料の売上が伸びるなど、購買行動や購買商品に大きな変化があったそうです。
今回、このブログでは、
非常時の生活が始まった時のために、栄養面から「こころとからだ」にどのような変化が起きるのか予測を立て、何を準備すればよいかを提案させいただきます。
今回は水道、電気、ガスなどのライフラインが正常に機能している状態での自宅待機ですが、近年猛威を振るう豪雨や台風、いつくるかわからない地震などの災害についても想像しながら、読んでいただけるといいと思います。
非常食として多くの人が備蓄する食品として、米、乾麺(うどん、そば、そうめん、パスタ)、餅、乾パン、カップ麺などがあげられます。
また、災害時の初期に避難所に配給される食品をみると、おにぎり、菓子パン、カップ麺などが多く、どうしても炭水化物(糖質)に偏りがちになります。
エネルギー源となる炭水化物はとても重要なのですが、炭水化物ばかり食べていると、エネルギー転換のためにビタミンB1が消費され不足してきます。
ビタミンB1不足になると、肉体面では慢性疲労の原因になり、精神面においてはイライラ感が募ります。
栄養バランスを考えないと肉体的、精神的ストレスがたまり、体調不良や病気になる可能性があります。
そして非常時に、先行きの見えない不安や、恐怖心、ニュースなどでショックな出来事を見聞きするなど、さらにストレスが増大すれば、体内のビタミンCは大量に消耗されます。
栄養素の欠乏やバランスの崩れから、便秘、貧血、ストレス太り、女性であれば、生理不順も起こることがあります。
非常時の生活が始まると、「こころとからだ」のバランスは簡単に崩れてしまうのです。
また、いくつかの要因が重なる事で、DV(ドメスティックバイオレンス)、児童虐待などが増える可能性もあります。
決して不安を煽るのではありません。予防医学的意識(重大な事が起きてから考えるのではなく、可能性を予見して準備をする考え)を持つことが大切です。
新型コロナウイルスが直接的に私たちの健康を脅かす存在であり、さらに非常時の生活を強いられる状況であれば、第一に、免疫力を高めておかなければなりません。
肉や魚、野菜、果物など、普段の通りにお店で買い物ができる生活であれば問題はありませんが、思うように外出ができなかったり、物流が滞ったりすれば日常は一変します。
非常時の家族の「こころとからだ」を守るためにも、栄養バランスを考え、代表的な非常食に加えて、サプリメント(栄養補助食品)の備蓄をするという発想を持っていただきたいと思います。
さて、私たちが健康に生きていくためには欠かせない、さまざまな栄養素があります。
からだの主要な構成物質であり、エネルギー源である「炭水化物」、「たんぱく質」、「脂質」の「3大栄養素」に、からだの機能を調節する有機物である「ビタミン」、生命活動に欠かせない無機質の「ミネラル」を加えたものを「5大栄養素」といいます。
最近ではこの5つに、さまざまな生理作用や体内での重要な働きがわかった「食物繊維」、抗酸化作用、免疫活性化作用のある植物由来成分「ファイトニュートリエント」の2つが加わり、「7大栄養素」といわれています。
この7つの栄養素を含んだ食品やサプリメントを備蓄することがポイントになります。
それでは、栄養素別にみていきましょう。
① 炭水化物(糖質)···脳や神経系、赤血球、筋肉に即効性のあるエネルギーとなります。不足すると疲労や集中力の低下につながります。
米、乾麺、餅など、非常食の代表的なものでよいでしょう。健康を意識するならば、発芽玄米、全粒粉、そば、玄米餅などの精製されていないものを選ぶとよいでしょう。
② たんぱく質···筋肉、臓器、皮膚、毛髪、血液などの材料です。非常時は不足がちになる栄養素です。不足すると筋肉量が減り、基礎代謝量が落ちることで太りやすくなります。
ツナ缶や青魚など魚介の缶詰、コーンビーフ、牛肉の大和煮や焼き鳥など肉類の缶詰、味噌、大豆製品など+「プロテイン」のサプリメントを取り入れましょう。
③ 脂質···細胞膜やホルモンの材料、ビタミンの吸収、断熱材として体温を維持する役割です。現代は加工食品が多く、オメガ6の摂取が過多になっています。
青魚の缶詰、ナッツ類など+「オメガ3」のサプリメント、亜麻仁油を取り入れましょう。
④ ビタミン···血液、粘膜、皮膚の健康を保ちます。不足すると口内炎や皮膚トラブルになります。
非常時には野菜、果物をとりにくくなります。じゃがいも、玉ねぎ、かぼちゃなど日持ちのする野菜やりんごや柑橘類などの果物を日頃から買い置きしておきましょう。またドライフルーツ(摂りすぎには注意)や「総合ビタミン·ミネラル」のサプリメントを用意するといいいでしょう。(私はドリンクタイプものを用意しています)
⑤ ミネラル···神経、筋肉機能の正常化。酵素の働きのサポートをしています。不足すると筋肉の痙攣や味覚障害がおきます。
のり、乾燥わかめや海藻、ナッツ類+「総合ビタミン、ミネラル」のサプリメント
(④のサプリメントと同じものです)
⑥ 食物繊維···コレステロール、血糖値の上昇を抑えます。腸内環境を整えます。
食品だと、わかめ、もずく、キノコ、長いも、ごぼう、レンコンなどの根菜類がありますが、非常時は必要量をとりにくくなるので、「食物繊維」および「プロバイオティック」のサプリメント(粉末タイプ)を用意しましょう。
⑦ ファイトニュートリエント(食物栄養素)···カロテノイド、ポリフェノールなど。
活性酸素からからだや肌を守り、免疫力を高めます。
日持ちのするみかんや柑橘類の果物を買い置きしておいたり、ファイトニュートリエントが凝縮されたサプリメント(50種類入ったスティック状の粉末サプリメント)を用意しましょう。
非常時でも、上記の「7大栄養素」をバランスよく摂取していれば、栄養面に関しては問題ないと思います。できれば家族分×1ヶ月~数ヶ月分は備蓄されることをお勧めします。
もちろんこの他に、日光に浴びる事、適度な運動、良質な水分補給、睡眠も大切です。
新型コロナウイルスがどのような形で収束するのか、まだ見通しは立ちませんが、この機会に思考、生活習慣をいま一度見つめ直し、食事や運動、睡眠で免疫力を高め、感染リスクを下げることです。不安の先取りをせず、いまできることに集中して行動しましょう。そしてこの困難な時期を一丸となって乗り越えていきましょう。
カイロプラクティック彦坂 院長
彦坂篤史 Atsushi Hikosaka
経歴
- 国際カイロプラクティックカレッジ卒業
- 一般財団法人 全国療術研究財団 療術師研修課程終了
- IBCE(国際カイロプラクティック試験委員会) SPEC(臨床能力判定試験)合格
- カイロプラクティック彦坂 開業23年目
- 東海療術師協会理事
- 国際カイロプラクティック師連盟会員
資格
- カイロプラクティック理学士
- JCR(日本カイロプラクティック登録機構)WHO基準カイロプラクター
- 全国療術研究財団 認定療術師
医療系以外では、宅地建物取引士の資格を有する。