皆さんこんにちは。JCR登録カイロプラクターの彦坂です。
現在、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が延長され、外出自粛要請が続いています。
仕事はリモートワーク、学校は休校、学生や子どもたちはオンライン授業になるなど、人との接触を避ける「新たな生活様式」が提案され、日常生活が急激に変化しようとしています。
外出が思うようにできないため、日光不足や運動不足になったり、大人も子どもたちもスマホやゲームの時間が増え、生活のリズムが崩れやすくなっているそうです。
また、ストレスから食へ楽しみを求めて過食傾向になり、「コロナ太り」なる言葉も生まれたそうです。
新型コロナウイルスの感染から身を守るための自粛生活が、かえって免疫力の低下を招いているように思います。新型コロナウイルスに感染しなくても他の病気になってしまいそうです。
さて今回のテーマは「認知機能と運動」についてお話しします。
日本の、ある研究の推計では、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、
約602万人となっています。実に約6人に1人は認知症であるという数字です。
まずは2つの症例をご覧ください。
〈 症例1 〉
70代女性、転倒して大腿骨を骨折。リハビリへの意欲がなく、その後、認知症を発症。
〈 症例2 〉
60代男性、高血圧があり脳出血。半身麻痺。リハビリへの意欲がなく、その後、認知症を発症。
上記の2例で共通していることは、どちらも「リハビリへの意欲がない」ということです。
ケガや病気の後遺症などが原因で、思うようにリハビリを頑張れない患者さんもいるのですが、医療機関で行われるリハビリ訓練だけではなく、ご本人が生活の中で積極的に体を使うことが重要です。
ケガや病気後に、認知症に進行するケースはよくあることです。
ケガや病気をして、リハビリを必要とする患者さんのなかでも、医師や看護師、専門の療法士、ご家族の身体的、精神的なサポートを受け、ご本人の努力もあり元気を取り戻している方もいます。また、残った障害によっては、生活様式が変化する方もいますが、日常生活を取り戻し、リハビリや運動を続けることで現状を維持し、さらには機能回復に努めている方もいらっしゃいます。
リハビリ=運動は、身体や脳が刺激を受け、良い影響を与えてくれます。
「運動」が認知機能に与える影響はおもに下記の3つです
- 血管の動脈硬化を防ぎ、認知症のリスクを減らす
- 認知機能向上に役立つ
- 記憶をつかさどる脳の海馬に影響を与える
健康長寿は「食事」×「運動」×「睡眠」が重要といわれています。
しかしながら、運動は良いと頭では思っていても、習慣化させることはなかなか難しいです。
できればご家族やお友達と一緒に取り組み、一人よりも二人以上でやることが、運動を習慣化させる秘訣です。
運動といっても、決してハードな筋力トレーニングは必要ありません。無理なく楽しくできるペースで行うことが基本です。
運動のポイントは、わずか3つだけです。
- 有酸素運動
- 筋力トレーニング
- 柔軟性
分かりやすく言うと、①「ウォーキング」、②「スクワット」、③「ストレッチ」です。
- 「有酸素運動」はウォーキングを少し息が上がる程度のペースで週4~5日、30分程度。
- 「筋力トレーニング」はスクワット。両足を肩幅より少し開いて立ち、腰をできるところまでおろす。週3日、1回につき20~30回程度。腕の筋力トレーニングは、腕を曲げたり伸ばしたりする。ダンベル代わりにペットボトルでもよいでしょう。慣れてきたら重さ、回数を増やしていきます。タオルをギューと握る方法で腕と握力も鍛えられます。私のお勧めは、平バンドというゴムチューブを使った筋力トレーニングで、全身の筋力トレーニングに使えます。
- 「柔軟性」を高めるためにはストレッチです。有酸素運動、筋力トレーニングの前後のストレッチも大切です。事前のストレッチは準備運動がてら関節、筋肉を温めて柔らかくする目的で行います。事後のストレッチは整理運動として血流を良くして、疲労回復を目的に行います。私のお勧めは、就寝前にストレッチポールに仰向けに背中をゆだねて乗り、体幹筋や呼吸筋群をゆるめ、自律神経の調整を行うことです。こうすることで、熟睡できる身体の環境が整います。
以上、運動の3つのポイントをおさえ、生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後に、いま栄養学の世界で注目を集めているのが、BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)です。脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質の一種で、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促してくれます。このBDNFは65歳以上では年齢とともに減少することがわかってきているのですが、適度な運動をすることによってBDNFを増やし、認知機能を高める効果があることもわかっています。
BDNFを増やす栄養素を積極的に摂取することが大切ですが、手軽にとれるサプリメントもありますので、またの機会にYOKUSHIRU,TVでお話しさせていただきたいと思います。
人生100年時代を見据えた時に「認知機能と運動」、そして「栄養」もまた重要なポイントになってきます。
今できる一歩を踏み出してみませんか。
YOKUSHIRU.カラダノコトでは
YOKUSHIRU,TVというものがあります。
薬剤師、カイロプラクター、柔整師、鍼灸師の専門家が皆さまからの質問にお答えします。またアドバイスを受けることもできます。ぜひご参加下さい。
カイロプラクティック彦坂 院長
彦坂篤史 Atsushi Hikosaka
経歴
- 国際カイロプラクティックカレッジ卒業
- 一般財団法人 全国療術研究財団 療術師研修課程終了
- IBCE(国際カイロプラクティック試験委員会) SPEC(臨床能力判定試験)合格
- カイロプラクティック彦坂 開業23年目
- 東海療術師協会理事
- 国際カイロプラクティック師連盟会員
資格
- カイロプラクティック理学士
- JCR(日本カイロプラクティック登録機構)WHO基準カイロプラクター
- 全国療術研究財団 認定療術師
医療系以外では、宅地建物取引士の資格を有する。