こんにちは。
「西洋医学・東洋医学のいいとこ取りしちゃえ!」鍼灸&柔整師の松本です。
前回、健康維持、増進のためにジムなどに通ってトレーニングしているのにも関わらず、多くの人が「肩が痛い」「腰が痛い」など、体調不良を訴えている人が多いことをお伝えしました。
では何故、一生懸命トレーニングをしていても思うように成果が出ずに、体調不良を訴えている人が多いのでしょうか?
実は筋肉は、鍛えれば鍛えるほど筋力がアップするわけではないのです。
しかも、その方法を間違えてしまうと、強くするどころか、かえって筋肉を弱らせてしまう可能性があります。
今回は、出来るだけ健康な身体づくりを目指している方に、柔道整復師の立場から簡単なアドバイスをしていきたいと思います。
◎身体づくりに必要な3要素
① トレーニング ② 栄養 ③ 休養
しかし、筋トレをやればやった分だけ身体を変えられるのか、というとそう単純なものではありません。
健康な身体づくりを実践していくには「トレーニングの継続」と「栄養をしっかり摂る」、そして「適切な休養」が重要になります。
どれか一つでも欠けると、思うように成果がでないどころか、かえって効果が劣る可能性もあります。
身体づくりに、なぜこれら3つのバランスが重要なのか、解説していきたいと思います。
① トレーニングについて
筋トレ初心者の方は、早く成果を出そうと毎日トレーニングしたり、1回のトレーニング量を極端に増やしたり、無理をする方がいます。
しかし、筋トレ自体は、身体に力学的ストレスをかける行為で、実は筋肉を使い強い負荷をかけると、筋繊維は一時的に壊れるのです。
必要以上の負荷をかけたり、身体が十分に回復していないのに次のトレーニングを開始したりと、無理な負荷を身体にかけてしまうと、身体の回復が遅れ、身体の免疫機能が落ち、体調を崩したり、オーバーユース(使い過ぎ症候群)で身体の一部が故障しやすくなったりします。
筋繊維の破壊と、超回復
運動により筋肉を使い強い負荷をかけると、筋繊維は一時的に壊れるということは先ほどお話しました。
しかし、人間の身体には壊れた筋肉を修復する機能が備わっています。
そして、そのタイミングで適切な栄養と休養を取り入れることで、運動により壊れる前の筋肉よりも強い筋肉が再生されます。このメカニズムを「超回復」と言います。
超回復の時間は、個人差はありますが、だいだい24~48時間程度と言われています。
その間、しっかりと休養をとり、筋肉の材料である「たんぱく質」や「アミノ酸」「ビタミン&ミネラル」の摂取を意識します。超回復が起こるのを待ってから、次のトレーニングを行う方法が理想的です。
つまり身体(筋肉)を成長させるためにトレーニングは不可欠ですが、身体が成長するのはトレーニング中ではなく、回復中に起こるということが重要なので覚えておいてください。
② 栄養について
巷では数多くの健康食品やダイエットサプリメント等が溢れかえっていますが、身体にとって本当に重要な栄養素とは何なのでしょう。
まずは3大栄養素となる、タンパク質、脂質、炭水化物を基本と考え、さらにビタミン、ミネラル、食物繊維を合わせて六大栄養素を摂取することが重要ですが、皆さんはこれらの栄養素をバランスよく摂取できているでしょうか。
栄養素の吸収率に関しては、年齢、性別、人種、あるいは他の食品との食べ合わせ等で差が出たり、同じものを食べても10人が10人同じように栄養素を吸収できるわけではありません。
ただ、細かい部分に関してはあまり神経質になり過ぎず、基本は3大栄養素をしっかり摂りつつ、不足分をプロテインや、ビタミン・ミネラル等のサプリメントで補っていくのも、簡単で分かりやすい方法のひとつだと思います。
③ 休養について
筋トレによって壊された筋線維を修復したり、疲労した身体を回復させたりするためには、十分な休養を取ることがとても重要になります 。
日本疲労学会によると、疲労は「心身への過負荷により生じた活動能力の低下を言い、思考能力の低下や刺激に対する反応の低下、注意力の低下、動作緩慢、行動量の低下、頭痛、肩こり、腰痛などがみられる」とされています。
ちなみに、私が経営する整骨院では、トレーニングジムを併設していて、トレーニングを行った方には必ず、コンディショニングとしてスポーツマッサージやストレッチなどの施術を受けていただき、「超回復」を積極的にサポートすることで、健康的で、かつ効果的なトレーニングを行っています。
また、サプリメントなどの栄養指導も希望される方には行っています。
その結果、現在当院でトレーニングをされている方のなかには、トレーニングによって体調不良を起こしたりする方はおられません。
③ まとめ
ここまで、健康な身体づくりに必要な3要素について解説してきましたが、現代人にとってこの3つのバランスをとることは結構難しいことだと思います。
特に多くの方は、トレーニングに重要性を置き、栄養に関しては特に独身の方は作る暇がなく、外食がメインになることも多いと思います。
ただ、真剣に身体作りに取り組んでいる方やアスリートの方は、ある程度作り置きが可能な食材を保存しておき、必要な時に食べたり、それができない方は、不足している栄養はサプリメントなどで補っています。
私が以前から危惧しているのが、コンディショニングです。
運動さえしていれば、「健康になる」「筋力がアップする」と思っている方が多いのです。
テレビでは、一流のアスリートの方々のトレーニングを伝える番組を多く見ますが、コンディショニングを伝える番組はあまり見ません。
実はトレーニングの後には、コンディショニングトレーナーの施術を受けたりしているのです。
当院では、一般の方もトレーニングジムで汗を流した後で、積極的にコンディショニングの施術を受け、健康な身体づくりのプログラムとして取り入れている方が増えてきています。
このようにちょっとしたことですが、長い目でみると大きな開きがでてきますので、みなさんも「健康づくりの3要素」試してみてはいかがでしょうか。
株式会社あどばんす 代表取締役
さの整骨院・鍼灸院 院長
松本克也 Katsuya Matsumoto
経歴
- 明治鍼灸大学卒業
- 明治東洋医学院専門学校卒業
- 腰痛専門の「わたなべ整形外科」リハビリ科勤務(京都市)
- カイロプラクティックなど身体のバランス調整を行い、1日100〜150人の患者さんが来院する「鍼灸整骨院 鷹ノ羽グループ」勤務(神戸市)
- 前職で同僚だった友人が独立する際に誘われて一緒に堺市で「鍼灸整骨院」立ち上げに参加、わずか1年目で1日70人の患者さんが来院する人気整骨院になる
- プロ野球の球団や角界などプロスポーツ選手や日本一を目指すアマチュアスポーツ選手が来院する「関目病院」のリハビリ科
- 前職で同僚だった友人が独立する際に誘われて一緒に大阪市で「鍼灸整骨院」立ち上げに参加、プロ野球選手をはじめスポーツ選手が通う整骨院に
- 2001年に地元である泉佐野市で「さの整骨院・鍼灸院」を開院。1日40〜100人の患者さんが通う整骨院に。 交通事故に遭った患者さんが二次被害(正当な治療が受けられない、正当な慰謝料を貰えないなど)に遭わないように、安心して治療に専念できる環境整備し、弁護士事務所、病院と提携しながらサポート。
- 「株式会社あどばんす」起業。「さの整骨院・鍼灸院」と阪南市に「あすなろ鍼灸整骨院」を開設し、今までに約20人の柔整師、鍼灸師、その他医療系の専門家を育成。
資格
- 鍼灸学士
- 柔道整復師
- カイロプラクター
- ファスティングアドバイザー