メディア報道の裏側 ~テレビの見方が変わる時~

薬局で毎日患者さんと接していると、「この前、テレビでこんなことを言ってたけど本当なの?」と聞かれることがあります。その内容に真実が含まれていることもあれば、私たち薬剤師から見たら「またそんなこと言ってたのかぁ」と呆れてしまうような真実とは程遠いことまでいろいろです。

今回は、メディアで取り上げられていることが全て真実とは限らないということを、私が聞いた話の中から書いてみたいと思います。

 

これは知り合いの大学の先生から聞いた話です。

その先生に、あるお昼の情報番組から出演依頼があったそうです。テレビに出て、先生の研究を話してほしいとのこと。内容は詳しくは聞いてないのですが、「○○を食べたら痩せる」とか「肌がきれいになる」とかいう話だと思います。でも、先生はその依頼を断ったそうなんです。理由は、「その研究はまだ半分か3割ほどしか解明できていないから、そんなはっきり証明できていないことをテレビで話せない。」から。

それでも、テレビ局の方から「証明できているのが3割でも構わないから、ぜひ番組で話してほしい」と言われ、先生は断り切れず出演して話をされたとのこと。3割しか証明できていないということは番組では触れられていなかったそうです。

その番組は今はもう終了していますが、他の番組でも似たようなことはあると思います。その話を聞いて、それまではお医者さんや大学の先生がテレビで話をされていたら真剣に聞いていたのですが、それ以来、話半分に聞くようになりました。

 

漢方のお医者さんから聞いた話もご紹介します。

血流を改善して身体の末端を温める漢方薬を飲んでもらい、サーモグラフィーで手足の温度が上がったかどうかを見るという実験をしたテレビ番組の監修をされたそうなんですが、実験をした時間が遅く、部屋自体が非常に寒かったためか、手足の温度がなかなか上がらなかったとのこと。仕方なく、手足をお湯で温めてサーモグラフィーをしたと言われていました。

それを聞いて、なんだかメディアの裏側の一面を見たような気持になりました。また、効果があると証明されている薬でもそのような扱いなので、食材などで行った実験でも、多少は操作されているのではないかと疑ってしまいます。

 

そもそも、「〇〇を食べたら(飲んだら)こうなる」というのを証明するために、テレビでは数名の人で実験していますが、その人数は少ないと2-3名、多くても7-8名ではないでしょうか。私は、この人数では効果があるかどうか判断するには少なすぎるのではないかと思います。

新しい薬を開発する時には、何百人、何千人もの人で試験をします。薬と食材で比べるのはおかしいかもしれませんが、それにしても人数が少ないのではないかなと思ってしまいます。

 

ただ、テレビでは上手にまとめてあるし、実際に痩せたり体調が良くなった人もいるようなので、試してみたいなと思う気持ちもわかります。

私の知り合いに、次から次へといろいろな事を試している人がいます。聞けば、「この前、テレビでやっていたの」と教えてくれます。でも、なかなか続かないみたいなんですよね。やってみたけど効果がなかったというのも一つの理由のようですが、話を聞いていると、わりとめんどくさいみたいで・・・。

ある食材を食べるにしても、例えば、それをすりおろして○○と混ぜて~など、単純に食べるだけではなく何かひと手間加えないといけないものが多いようです。なので、多少効果が出てきてしばらくは続いたとしても、いつかはやめてしまうそうなんです。

私なんかはめんどくさがり屋なので、そこまでしないといけないなら、別にしなくてもいいかなぁってなっちゃいます。皆さんはどうですか? めんどくさがらずに出来る方ですか?

 

そもそも、一つの食材で痩せるとか肌がきれいになるとかいう話は多いですが、本当にそれだけで効果が出るものなのでしょうか。痩せるには摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取る必要があるでしょうし、肌のためにはいろいろな栄養素を摂取することが重要だと思います。つまりは、昔から言われているように、いろいろな食材をバランスよく食べて、運動をし、夜はしっかり寝る事が一番大事なのではないでしょうか。

とは言え、忙しい今の時代、毎食バランスのいい食事を心がけるのは難しいですよね。そういう時にはサプリメントに頼ってもいいのではないかと思います。実際、私も育児に忙しく、栄養バランスを考えた食事を毎回作れるわけではないので、サプリメントを飲んで体調を整えています。

食材にしてもサプリメントにしても、自分に合うものが見つかれば、体調を整えるのを助けてくれます。

そういうものを味方にして、無理なく、賢く、健康な毎日を送りたいですね!