こんにちは、薬剤師の岩本まりこです。
新型コロナウイルスの感染が拡大してきて、全国で緊急事態宣言が出されましたね。自分が感染しないために、また感染源にならないために、毎週末は外出せずに家で主人と息子と過ごしてます。
皆さんはどのように過ごされてますか?
さて、外出はできるだけ控えたいところですが、普段から飲んでいる薬の手持ちが少なくなってきたら病院で処方してもらうしかないですよね。
でも、病院にはいろんな患者さんが来ているし、病院に行くまでも、公共の交通機関を使わないといけない場合はよりたくさんの人と接触する可能性があって不安に感じている方もいると思います。
今回は、薬は必要だけど病院には行きたくない時にどうしたらいいかお話しします。
病院に行きたくない場合は・・・
先日、私の勤めている薬局に、「いつもはバスで病院に行ってるけど、新型コロナウイルスが怖くて病院に行けない。」という電話がありました。
今のような状態では、病院に行きたくないと思われる患者さんは多いと思います。
このような時、実は病院に行かなくても薬をもらえる方法があるんです!
それは、「電話診療」をしてもらうことです。
普段かかっている医療機関に電話をし、先生と体調について話をして処方箋を出してもらうのです。
その処方箋は、病院から薬局にFAXされることもありますし、病院から患者さんの家に郵送されることもあります。
病院から薬局にFAXされた場合、患者さんは保険証、お薬手帳、お金を持って行けば薬局で薬をもらうことができます。(処方箋の原本は、後日、病院から薬局に郵送されます。)
患者さんの家に処方箋が郵送される場合は、処方箋も持って行ってくださいね。
また、薬局にも行きたくないという場合は、薬局にお電話ください。
患者さんと相談の上、薬を郵送することもできます!
薬の内容については、お薬が届いた頃に薬局から電話をして説明させていただきます。
どうしても病院に行かないといけない場合は・・・
そうは言っても、受けなければいけない検査(血液検査やエコー検査等)があり、どうしても病院に行かないといけない場合もあると思います。
そんな場合に、気をつけた方がいいことを挙げてみます。
①マスクをする。
マスクは感染を完全に防ぐものではないことは、もう皆さんご存じかと思います。
しかし、近くの人のくしゃみや咳の飛沫を防ぎ、ウイルスが体内に侵入する確率を減らす効果は十分あります。
また、ウイルスがついたかもしれない手で鼻や口等の粘膜に触れる機会を減らすことができます。
マスクが手に入りにくい状況が続いていますが、最近では手作りの布マスクをされている方もよく見かけます。国からも布マスクが配布されることになりました。
布マスクでも一定の効果はあります。また、布マスクは、洗剤で洗えば再利用できるという利点があります。
外出時はできるだけマスクをするようにしましょう。
②人と距離を開ける。
電車やバスに乗る時、病院の待合室で待つ時等、できるだけ人と距離を開けるようにしましょう。
最近ではスーパーのレジでも、前の人から一定の距離を取ったところに線が引いてあり、「次の方はこちらでお待ちください」等ど書いてあるのを見かけます。
先日、市民病院に行く機会がありましたが、待合室の椅子に一つおきに張り紙がしてありました。内容は、「新型コロナウイルス感染対策のために、距離を取って座ってください」というものでした。
できれば2mくらいは開けたいものですが、患者さんが多くて2mも開けられないという場合は一つ席を離すだけでもいいと思います。
③比較的病院が空いている時間に行く。
予約制の病院であれば、予約を取って行けばそれほど混んでいることはないと思います。
予約制の病院でなければ、普段は何時頃が空いているか事前に確認してから行くのもいいでしょう。
④ボタンを押す時は、指の第2関節を使う。
ボタンを押す機会はよくあると思います。駅の券売機、バスの降車を知らせるボタン、エレベーターのボタン等々。
ボタンを押す時、大体の人は人差し指の指先で押しますよね。それを、第2関節で押すようにするんです。
具体的には、手を軽く握って(じゃんけんのグーの手をして)、人差し指の第2関節でボタンを押します。
人は無意識のうちに手で顔を頻繁に触っています。ですから、手のひら側をできるだけきれいな状態で保つ方がいいのです。
エレベーターのボタンの所に、第2関節でボタンを押すよう張り紙をしているところもあると聞いたことがあります。
たくさんの人が触っているボタンは、できるだけ手のひら側で触らないようにしましょう。
⑤帰ってきたらすぐに手洗いをする。
病院から帰ってきたら、すぐに石鹸で手を洗いましょう。洗っていない手で目や鼻、口等を触らないようにしてください。
また、マスクを外す時はマスクの表面には触れないようにし、ゴムひもをつまんで外しましょう。マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗いましょう。
最後に
感染を怖がるあまり、大切な薬を切れたままにしておくと症状の悪化を招きかねません。
病院と薬局は以前から必要に応じて連携したり連絡を取り合ったりしていますが、新型コロナウイルス感染拡大後は今まで以上の連携がなされています。
今は必ずしも病院に行かなくても薬を出せるような仕組みになっていますので、薬がなくなる前に、ぜひ病院や薬局にご相談くださいね。

薬剤師
岩本真理子 Mariko Iwamoto
経歴
- 神戸薬科大学を卒業後、地元の調剤薬局に就職
- 西洋薬と漢方薬を取り扱う薬局で勤務した後、精神科、小児科の門前薬局を経験
- 育休中取得後、調剤薬局に復帰。仕事と育児に奮闘中。
資格
- 薬剤師
- 漢方薬・生薬認定薬剤師