市販薬の薬物依存について

JCR登録カイロプラクターの彦坂です。

 

年々、からだの症状に対してのファーストコンタクト(初めの対応)が、あまりにも薬や注射に頼る傾向になってきているように感じられます。

 

「ひじが痛い」というと、〝○○病院で注射を打ってもらえれば、一発でよくなる〟という話を聞いてきて、早速、注射を打ちに行くといった具合です。

 

始めは注射の効き目が良く、2ケ月間は調子がよかったものの、その後また痛みが再発して、再び注射。二度目は効き目が2週間しか持たなかったので、病院の主治医に「ひじの痛みは治るのか」と聞いたら、「痛み止めだから治るわけではない」と説明を受けた、という方がいらっしゃいました。

 

そもそも、なぜひじが痛くなったのかと伺うと、ゴルフの練習のやり過ぎで傷めたとのこと。

注射を打って痛みが消えたので、以前と同じ量の練習を繰り返しやっていたそうです。

組織が損傷しているわけですから、一時的に痛みを抑えている状態で練習を再開すれば、当然のことですが、さらに組織は損傷し、痛みはぶり返してしまいます。このような方は意外と大勢いらっしゃるのです。

この方に必要なのはケアと十分な休息です。ケアとはストレッチやアイシング、またビタミン・ミネラル、オメガ3、プロテインなどの栄養補給です。そしてスイングフォームの修正をすることも必要かもしれません。

 

「簡単、便利、効率よく」は一見、魅力的ではありますが、少々危険な感じがします。

 

以前このブログで市販薬の鎮痛剤を常用している患者さんの話をしましたが、つい先日も、鎮痛剤を毎日飲んでいるという若い女性が来院されました。頭が痛くなるので少しの痛みでも薬を飲み、天気予報を見て痛くなりそうだなと思ったら事前に薬を飲む、というように何ヶ月にもわたり毎日薬を飲んでいると話をしてくれました。そうしていることが体にとって良い事をしているかのような認識を持っておられました。私は痛みの仕組みと薬を常用することの危険性を伝え、体のために栄養を摂ることやケアをする事をアドバイスしました。

 

しかしそのような情報を教えてくれる人が周囲にいなければ、ごく普通に生活をしている人は、手軽にお店で買えてしまう市販薬に、何ら疑問を抱かずに依存してしまうことでしょう。私はからだの働きと、市販薬の取り扱いについて、教育の必要性を痛感しています。

 

先月9月15日付のニュースに「咳止め乱用10代で急増 厚労省の薬物依存調査」という見出しの記事があり、ついにここまできてしまったのかと、危機感を覚えました。

2018年に薬物依存などで全国の精神科で治療を受けた10代の患者のうち、4割以上が咳止め薬や風邪薬などの市販薬を乱用していたことが、厚労省の研究班の調査で分かったといいます。若者の生き辛さが根底にあるといわれ、一時的に意欲を高めるために市販薬を乱用するケースが多いそうです。

 

薬物依存に陥る10代の子たちには「家庭環境」、「自己肯定感の低下」、「対人関係」、「社会性の欠如」、「孤独」、「身近な薬」、「薬物依存」、という流れがあると思います。

 

子どもたちの心の問題は緊急の課題だと思います。

 

親が子どもにしてあげられる事は、子どもの心を育てることではないでしょうか。

 

以前のブログでも、子どもに対して「認めて、ほめて、喜んで、期待する」という親の関わりで自己肯定感を高める話をしました。

 

子どもの心の成長には時間がかかります。いろいろな経験を通して、子どもが感じた事を大人が共感して、心を育てていくことが大切だと思います。

 

 

私たちのからだには素晴らしい機能が備わっています。痛み、熱、症状などは体が生活を見直したほうが良いと教えてくれるサインです。無理をせず休息を取り、栄養補給をして、体のバランスを整えれば、元気を取り戻すことができます。

 

心もまた同じく、辛いときは無理をせず休息を取り、考え方、捉え方を変えていければ、元気を取り戻せます。

 

 

心身の症状へのファーストコンタクト(初めの対応)には、薬だけではなく、ほかの選択肢もあると理解していただければと思います。

 

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