「クスリはリスク」!? ~薬との上手な付き合い方~

「薬は飲みたくない!」
薬局の窓口で患者さんから言われることがあります。「クスリはリスク」という言葉もあり、薬は怖いものと思ってる方がいるのかもしれません。
今回は、そんな薬について書いていきたいと思います。

「クスリはリスク」?

「クスリはリスク」という言葉を聞かれたことはありますか?  薬嫌いな人の間で言われている言葉のようなのですが、薬は本当に危険なのでしょうか?

薬には期待される作用(薬効)と期待されない作用(副作用)があります。「クスリはリスク」の「リスク」という言葉は、この副作用のことを指しているのだと思います。しかし、副作用が出るか出ないかは飲んでみないと分かりませんし、出たとしても人によって程度の差はいろいろです。どんな薬でも眠気やお腹の症状等は何例かは副作用として報告されていますし、時には重い副作用が出る場合もあるかもしれません。反対に、プラセボ効果と言って、プラセボ(偽薬)を飲んだのに「薬を飲んだ」と思うだけで眠くなったり気分が悪くなったりする人もいます。副作用には気持ちの問題も関係しているのかもしれません。また、薬の研究は日々進歩していて、薬の種類も増えています。もし、ある薬で副作用が出ても、違う薬を選ぶことができるのです!

それに、薬を飲むことで副作用に勝る良い効果が得られることがほとんどです。ですから、副作用を心配して薬は悪いものだとし、体調が良くないのに薬を飲まないと、良くなるチャンスを逃してしまいます。治療開始のタイミングが遅くなれば、それだけ治るまでに時間がかかることもあります。体調が優れないと感じた時は病院で診察してもらい、処方された薬はきちんと飲むようにしてください。

副作用を知って上手に付き合う

では、副作用とどのように付き合えばいいのでしょうか? 副作用と上手に付き合うには、どんな副作用が出る可能性があるのか知るところから始まります。薬局で薬をもらう時に、効能と主な副作用について薬剤師が説明します。その時に気になることがあれば、薬剤師に聞いてください。この副作用はどのくらいの頻度で出るのか?  副作用が出たらどうしたらいいのか?  などなど。何でも構いません。やっぱり、納得してから飲んでいただきたいですから!

また、お医者さんも自分がよく処方する薬については知識があるので、あらかじめ副作用対策をされています。例えば、痛み止めは胃を荒らすことがあるので、痛み止めを処方する時には胃薬とセットで出されることがほとんどです。お腹の調子が悪くなりやすい抗生物質薬とは整腸剤がセットになっていたりという具合です。

薬剤師はよく出る副作用のことを知っているので、逆に副作用止めは飲まないです。痛み止めを飲む時は痛み止めだけ。もし胃が痛くなったら、後から胃薬を飲めばいいわという感じです。副作用を知っていれば余分な薬を飲まなくていいし、副作用の症状が出た時の対処法が分かるので、変に不安に感じることがないのです。

あとは、前に飲んで自分に合った薬や合わなかった薬を覚えておくといいと思います。その情報を基に、今回の薬が合うか合わないかの予想ができることもあるからです。薬剤師は自分に合った薬をよく覚えていて、風邪薬や咳止め、お腹の薬など身近なものをお気に入りの常備薬として持ち歩いてる人が多いですよ。

薬を飲まないために

いくら副作用のことを前もって知ったとしても、やはり心配される方もいると思います。また、薬で治るとはいえ、飲まなくていいものなら飲みたくないと思う方もいますよね。薬を飲まないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。

それには、やはり普段からの食生活や生活リズムを整えておくことだと思います。仕事が忙しいからと言って、遅くまで起きて仕事をしていては体が疲れきってしまいます。早寝早起きして、しっかり睡眠のリズムを整えましょう。また、暴飲暴食や偏食を止めて、栄養バランスのいい食事を食べたいものです。

その中でもビタミンとミネラルは重要です。たんぱく質や脂質が溢れている現代、野菜を食べる機会が減ってる人も多いと思います。野菜自体も昔より栄養価が下がってきていると言われています。意識していても、ビタミンやミネラルを十分に摂取するのはなかなか難しいですよね。そういう時にはサプリメントを利用してもらったらいいと思います。私もビタミンやミネラルの入ったサプリメントを飲むようになって、以前はよく出来ていた口内炎が出来なくなりました!  偏食をしていたわけでもないし、野菜もしっかり食べてバランスのいい食事をしていたつもりだったんですが、やはり足りてなかったんでしょうね。みなさんも食生活をチェックして、薬に頼らなくてもいい体作りを一緒にしていきましょう。