幸せホルモン「セロトニン」は腸で作られる!?

皆さん、「食いしん坊」まみぃ院長こと加賀宇康代です。

今回は「幸せホルモン!セロトニン」は腸で作られる!です。

前回のブログで幸せホルモンを増やすために、

「セロトニンはトリプトファンの多い食品を食べる」「オキシトシンは良質なタンパク質とオメガ3脂肪酸を摂る」と、お話しました。

ちょっとだけ難しいお話です。

脳の中には無数の神経細胞がありますが、この神経細胞間で情報伝達が行われることで、脳は適切に体に指示を送ることができます。この神経間で情報を受け渡すときに必要なのが、神経伝達物質で、今までにも数多く発見されていますが、一般的に有名な物質は抑制系のGABA、興奮系のドーパミン、そして多彩な働きを持ち興奮と抑制の調整役をしているのが「幸福物質(幸せホルモン)」とも呼ばれているセロトニンです。

セロトニンは、体のリズムを整え、ホルモンと同じような働きをし睡眠の状態にも関係しています。また、情緒の安定、体温の調整や痛みの認知・緩和、食欲の制御や消化・吸収に至るまで、多くの体の機能に関わっているのです。そして、このように多彩な役割を持っているセロトニンは、95%が腸で作られています。

しかし、腸で作られたセロトニンが脳に運ばれて行くのではありません。

脳に栄養を運ぶためには、血液脳関門というフィルターを通過しなくてはならず、ここを通過できるのは、アミノ酸のような小さな物質でトリプトファンから作られたセロトニンはこのフィルターを通過できません。

脳の中で働くセロトニンは、脳内で作られる必要があり、セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られるため、トリプトファンが含まれる食事をきちんととるのが効果的と言われています。

え!!!じゃあ・・・腸で作られるセロトニンは、どんな働きがあるの?

九州大学大学院医学研究院心身医学教授/九州大学病院心療内科の須藤先生によると、腸内セロトニンは基本的には中央の蠕動運動の調節に関与しているのですが、その濃度などの情報が、腸と脳をつないでいる神経系に伝わって、脳内セロトニン合成や働きに影響を与えているとのこと、2013年にアメリカの研究者によっても同じような発表がされています。

腸で作られたセロトニンは、腸を動かし消化吸収を助け、腸が正常に動くことで、脳に伝達が行われ「脳内セロトニン」の生成調整をするということなんですね!

通常では「脳から司令が出て、腸が動く」とされていますが、「腸」で生じたさまざまな生理的・病理的な変化が「脳」へと伝えられて、脳内の情報処理機能に影響を与えると須藤先生は話されています。

参考資料 https://www.yakult.co.jp/healthist/242/img/pdf/p02_07.pdf

腸内細菌の存在がセロトニン合成にどのような理由や方法で影響を与えているのかについて、まだ研究が始められたばかりなので詳細は明らかになってはいませんが、セロトニンをきちんと腸内や脳内で作るためのトリプトファンを多く含む食材をきちんと「消化・吸収」する必要があります。

そのためには正常な腸内細菌の働きが不可欠ですね。だから「腸でセロトニンが作られる」と言われているのです。

●トリプトファンが摂れる食材
卵、牛乳、肉、大豆、ジャガイモ、シリアル、ブロッコリー、カリフラワー、キウイフルーツ、プルーン、ナッツ、海藻、トマト

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

次回は、「腸内細菌について」予定しています。