薬と食品の意外な飲み合わせとは!?~対応方法もお伝えします~

こんにちは。薬剤師の岩本まりこです。

以前、「グレープフルーツが大好きなんだけど、今飲んでる薬との飲み合わせが悪いので、グレープフルーツは全然食べてないんです。」と言う患者さんがいらっしゃいました。

薬を飲む時に、飲む量や飲む時間、他の薬との飲み合わせについては意識している人も多いと思いますが、食品には意識がいきにくいのではないでしょうか。

しかし、薬と一緒に取ってはいけない食品も意外にあるんです。

今回は、薬を飲む時に注意してほしい食品について書いていきます。

 

薬を飲む時の基本

皆さんは薬を飲む時は、何で飲んでますか?

お茶ですか? ジュースですか? まさか、お酒で飲んだりはしてないですよね?

薬は水かぬるま湯で飲むことを前提に作られているので、他の物で飲むと薬の効果が悪くなったり、思いがけない副作用が出ることがあります。

一部の薬で、グレープフルーツジュースや牛乳で飲むと良くないと分かってきているものもありますが、まだまだ分からないものも多いと思います。

ですから、薬を飲む時は、必ず水かぬるま湯で飲んでくださいね!!

今分かっている飲み合わせの良くない飲み物や食べ物について、代表的なものを以下にまとめてみました。

 

グレープフルーツジュース

ある種の血圧の薬を飲んでいる方がグレープフルーツジュースを飲むと、血圧の薬が分解されにくくなって薬の効果が強く出てしまいます。

あまり知られてないかもしれませんが、血圧の薬以外にも一部のコレステロールの薬や睡眠薬も同じように効果が強く出てしまうので、グレープフルーツジュースは避けてください。

最初にお話しさせていただいた患者さんはグレープフルーツが大好きなのに、グレープフルーツの果汁が数パーセントでも入ってるジュースやゼリーまで避けるほどの徹底ぶりでした。

コップ1杯のグレープフルーツジュースにはグレープフルーツ5-6個分の果汁が入っているので、100パーセントジュースを飲むのは控えてもらう方がいいのですが、数パーセント入っているものを時々飲む程度であればそれほど影響はないと思われます。

そのことは患者さんにもお伝えしたのですが、薬の効きが悪くなるのがイヤなので、ジュースを飲むのはやめておきますとのことでした。

すごく意思の強い方ですね! 私だったらそこまでできないかなぁ・・・。

グレープフルーツジュースに影響されない薬もあるので、グレープフルーツが好きな方がいらしたら、ぜひ医師に相談してくださいね。

 

牛乳

痛み止めなどを飲む時に、お腹に何か入れてから薬を飲む方が胃への負担が軽くなるからと、牛乳を飲んでから薬を飲む方もいらっしゃるかもしれません。

でも、牛乳と一緒に飲むと効果が悪くなる薬もあるので注意してください。

牛乳と一緒に飲まない方がいい薬は、一部の抗生物質です。

一緒に飲むと抗生物質の吸収が悪くなってしまいます。

ですから、薬を飲んだ後2時間程度は牛乳を飲むのは控えてください。

このような薬が処方された場合は、医師や薬剤師から説明があるはずなので、しっかり聞いてくださいね。

 

納豆、クロレラ

ワルファリンという薬は、血が固まる時に必要なビタミンKの働きを妨げることによって血を固まりにくくします。

一方、納豆やクロレラにはビタミンKが大量に含まれています。

ですから、これらをワルファリンと一緒に摂取すると、薬の効果を弱めてしまい血栓ができやすくなってしまいます。

最近、納豆を食べても影響がない薬が開発されたので、納豆が好きな方で血液を固まりにくくする薬が必要な方は医師に相談してください。

 

まとめ

薬と食品の飲み合わせについては、次々と新しい情報が出てきています。

一昔前は、お茶と鉄剤は一緒に飲んではいけないと言われていましたが、最近では大丈夫とされています。

また、他の食品やサプリメントについても、薬との飲み合わせが悪いものもあります。

お好きな食品や普段飲んでいるサプリメントがある方は、薬をもらう時に必ず医師や薬剤師に確認するようにしてくださいね。