健康づくりのための運動(筋トレ)って本当に良いの?

こんにちは。
「西洋医学・東洋医学のいいとこ取りしちゃえ!」鍼灸&柔整師の松本です。

みなさま、長い間、緊急事態宣言が発令され「STAY HOME」で、運動不足、ストレスが溜まっていませんか?

緊急事態宣言後、困っている事トップ3は、

買い物がしにくい
運動不足
ストレス

が、それぞれ3割以上だったそうです。

また、今後購入したい商品・サービスとして、エクササイズマシーンが上位になったことからも、運動不足やストレス解消ができる商品・サービスの需要が高まっているのがわかります。

私が住んでいる大阪では、521日に緊急事態宣言が解除されました。

その翌日から私の周りでは、多くの方が運動不足、ストレス解消のために、トレーニングジムに通って筋トレをされています。

私は大学卒業後、スポーツ整形外科で勤務をしながら、トレーニングジムで筋トレで汗を流していました。
その後、泉佐野で鍼灸・整骨院を開院してからも、しばらくトレーニングジム通いは続けていました。

ところが、ジムに通っていて、トレーニングジムの会員の方々は健康維持、増進のために来ているのに、周りの多くの人が「肩がこった」「腰が痛い」「膝が痛い」など、体調不良を訴えている人が多いことに気づきました。

そこで「本当に筋トレは健康によいのか?」と思ったのです。
それまでは、「筋トレ=健康な身体になる」と、疑いもなく続けていました。
でも、筋トレで健康になるには、ちょっとしたコツが必要だったのです。

では、その答えとそれを理解するために、まず「運動について」と筋肉を鍛えるメリット」について理解する方が分かりやすいので、簡単にお話しします。

運動について

運動とは「体を動かすこと」です。しかし便利な世の中になるにつれ、運動する機会が激減しました。多くの人が運動不足を感じているのではないでしょうか?

運動をした方が、健康に良いと言う事はなんとなくわかっていると思いますが、なぜ運動をしなくてはいけないのでしょうか?

それには大きく2つの理由があります。

生活習慣病の予防

食物から摂取したエネルギー」「運動により消費したエネルギー」がバランスよく保たれていることが健康によい状態です。

しかし食べる量は変わらないのに、運動をしないと消費エネルギーが少なくなり、摂取エネルギーが余ってしまい、使われなかったエネルギーは脂肪として体に蓄えられてしまいます

この状態が繰り返されると、脂肪が必要以上に蓄積し、肥満となります。

そして肥満が原因となって糖尿病、高血圧といった生活習慣病になるリスクが高くなってしまいます。

筋力や身体機能の維持

体調崩して1週間ほど寝込んだり、今回のような緊急事態宣言で長期間運動不足が続くと、疲れやすかったり、普段のように動けないなど、体力や筋力、持久力などが衰えてしまったと感じることがあるかと思います。

人間は持っている機能を使わないと驚くようなスピードでその機能は低下していきます。

例えば「歩く」という動作は、簡単に行っているように思いますが、歩くときには太ももの前の筋肉(大体四頭筋)、裏の筋肉(大腿二頭筋)、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)、すねの筋肉(前脛骨筋)といった多くの足の筋肉を使って歩いています。さらにお尻や腰、背中、腕の筋肉も使っています。つまり全身の筋肉を使ってはじめて「歩く」ことができるのです

またそれだけではなく、重心移動のためにはバランス能力が必要で、さらには長時間動くためには、心肺機能も必要となります。
もし「歩く」動作をしなくなったら、多くの筋力が低下し、さらにバランス能力、心肺機能が低下してしまいます

こうなってしまうと歩くスピードが遅くなったり、荷物を持ってもバランスが保てずふらついたり、小さな段差でつまずき転んでしまうなど、日常生活に多大な影響を及ぼす恐れが出てきます

更に骨格筋は、全身の血液循環のためのポンプの働きも兼ねています。
ふくらはぎは「第2の心臓」って聞いたことはありませんか?
飛行機など長時間同じ姿勢でいると、脚の筋肉を動かさないと血液循環が悪くなり、脚がむくんだり、最悪の場合、エコノミークラス症候群を起こすことがあります。
全身の骨格筋が筋力低下を起こすと、心臓(心筋)に負担がかかることも考えられるのです。

このようなことにならないためにも、運動は必要で、運動することで必要な筋肉、機能を維持・向上させることは、日常生活を行っていく上でとても重要なことなのです。

筋肉の種類

いきなり専門的な話になりますが、筋肉の種類には大きく分けて3種類あります。

・まずは、平滑筋。これは内臓などを動かす筋肉です。

・次は、心筋です。これは文字通り心臓の筋肉で、心臓をポンプのように動かして、全身に血液を送る働きをします。

・そして今回の主役、骨格筋。これは関節を動かす筋肉で、全身に約600以上の骨格筋が存在します。
男性は体重の
2分の1、女性は約3分の1が筋肉です。
平滑筋と心筋は自分の意思では動かせません。
なので通常筋肉というと
、自分の意思で動かせる骨格筋を指します。
力こぶの上腕二頭筋やシックスパックの腹直筋とかは、ご存知だとおもいます。

また筋肉はその動きの性質によって、「速筋」と「遅筋」に分類されます。
「速筋」とは、非常に素早く収縮することで、パワーあふれる瞬発力を生み出す大きな筋肉です。
腕相撲とかダッシュするときに使う筋肉で、頼りがいのある筋肉ですが、反面非常に疲れやすい特徴を持っていて、筋肉痛の原因にもなりやすいです。

「遅筋」は、ゆっくり収縮する小さな筋肉で、速筋に比べて瞬発力は劣りますが、持久力があり疲れにくいのが特徴です。
座る、立つ、歩くなどの日常動作
は、この遅筋が中心になります。
また、この遅筋は
小さいが、筋繊維の量が多く、柔軟性もあり、この遅筋を強化するトレーニングをしても、怪我をしにくいというメリットがあります。
特に中高年以降は、遅筋を中心とした、インナーマッスルを鍛える方がよいといえます。

筋肉を鍛えるメリット

からだ的な主な効果
・健康的な体型の維持
・体力、筋力の維持及び向上
・生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防
・加齢に伴う生活機能低下の予防
・心肺機能の向上により疲れにくくなる
・腰や膝などの痛みの軽減
・血液循環の促進
・免疫力を高める
・ケガや病気になりにくくなる
、など

精神的な主な効果
・認知症の低減
・不定愁訴の低減
・気分転換やストレス解消、など

このように筋肉を鍛えることにより、多くのメリットがあります。

なのになぜ、健康維持、増進のために筋トレを行っているのに、肩こりや腰痛などの症状を訴えている人が多いのでしょうか?

その謎は、次回に詳しくお伝えしたいと思います。