サプリメントは栄養補助食品であり、薬ではありません。でも、患者さんからの質問でよくあるのが、「このサプリメントを飲もうと思うんだけど、効果あるかなぁ?」という内容です。こう聞かれたら、薬剤師はどう答えるでしょうか。今回は、私がサプリメントに持っていたイメージとその変化について書きたいと思います。
薬剤師の目から見て
まず、薬剤師はサプリメントにいいイメージを持っている人は少ないと思います。なぜなら、普段から効果がはっきり証明された薬を扱っているので、効果効能をうたえないサプリメントをあまり信用していないからです。「効くのなら、薬になってるでしょ?」ってことですね。
同僚の薬剤師も同じような考え方で、サプリメントは全然飲んでませんでした。ところがある時、「最近、目がかすんで焦点が合いにくくなってきたから、ブルーベリーのサプリメントでも飲んでみようかな。」って言うんです。珍しいことを言ってるなぁと思いながら聞いてたんですが、2週間ほどして、「あのサプリメント、やっぱり効果なかったわ。」とのこと。ここで重要なのは、「やっぱり」というワードです。効果をものすごく期待して飲んだのではなく、サプリメントでも試しに飲んでみようという気持ちだったんでしょうね。そして、効果がなかったから、「やっぱり」となったようです。
患者さんに聞かれた時は?
薬局で扱っている薬は有効成分が一つであることが多いのですが、サプリメントはいくつかの成分が入っている場合があります。それが全て自分に必要であればいいのですが、どれが必要かを自分で判断するのは難しい事もありますよね。ですから、冒頭の様に患者さんに「このサプリメント、効果あるかなぁ?」と聞かれたら、実物を持ってこられている場合は表示を見て成分を確認します。実物がなければネットで調べます。そして、そのサプリメントを飲もうと思った理由を聞いてみます。大抵は聞かなくても患者さんの方から話してくれるんですけど、期待している事が分からないと、目的に合ったサプリメントを選んでいるかの判断ができないので確認させてもらいます。目的に合っていれば、あくまでサプリメントはサプリメントであり、薬とは違う事をお話しさせてもらった上で、一度試してみてもいいのではないでしょうかとお伝えしています。その場合、もちろん今飲まれている薬との飲み合わせはチェックしていますよ。
私の変化
そんな感じなので、私自身も昔はサプリメントは全然飲んでませんでした。必要な栄養素はサプリメントからではなく、食事から摂ればいいと思っていたからです。でも、数年前に結婚して仕事と家事をするようになってから、体がすごく疲れるようになってしまいました。そんな時、いつも主人がせっせと飲んでいたミネラルのサプリメントが気になり、試しに飲んでみたら体が楽になった感じがしました。
また、出産後は毎日子どもを抱っこするせいか、膝が痛くなってしまったのです。膝が痛くても子どもは待ってくれません。徐々に重くなる我が子を抱っこしながら、どうしたものかと思っていたんですが、ふとコラーゲンを飲んでみようと思い、数日飲んでみたら気づくと膝の痛みが良くなった感じがするんです! けれど、すぐには信用できませんでした。「いや、サプリメントだし、たまたまかな」と思い、しばらく止めるとまた痛くなり、飲むとまた良くなる感じがする。これはやっぱりコラーゲンのおかげとしか考えられませんでした。それからは毎日コラーゲンを飲んでいます。
まとめ
この経験を通して、イメージだけで判断するのではなく、しっかり調べたり実際に飲んだりして、自分に合ったものを上手に選ぶことが重要なんだなと思いました。皆さんもサプリメントを上手に選んで活用してみてくださいね。
薬剤師
岩本真理子 Mariko Iwamoto
経歴
- 神戸薬科大学を卒業後、地元の調剤薬局に就職
- 西洋薬と漢方薬を取り扱う薬局で勤務した後、精神科、小児科の門前薬局を経験
- 育休中取得後、調剤薬局に復帰。仕事と育児に奮闘中。
資格
- 薬剤師
- 漢方薬・生薬認定薬剤師